シェークスピアの聖地、ストラットフォード・アボン・エイボン
ボウネスからコッツウォルズの北端へ
朝食を済ませるとまた移動が始まります。今日の移動は、310Kmの長距離です。 車窓には、湖水地方の牧場風景が延々と続き牧畜の牛・馬・豚・羊に干草のロールと道路を渋滞させるトラクターなど次々と現れます。 集落を抜けるとイギリスの西部を南北に走る高速道(M6)を走行してコッツウォルズ方面へ向かいます。 イギリスの交通事情は、左側通行に右ハンドルと日本と同じで日本車も全体の3割ほどが高速道を占めています。 違っているのは交差点の曲がり方が馬車文化の名ごりのロータリー交差点になっている事です。
正午になったところで次の目的地のストラットフォード・アボン・エイボンに到着しました。 今日までの旅程中に地方の運河に浮かんでいた縦長のカナルボート(運河船)を写真に収めようと常にカメラを待機して、 すぐに撮影できる様にカメラを持ち続けていました。 連日の観光はさすがに疲れが蓄積していくのが解かります。 車内で眠りたかったのですが、なんとしても被写体として収めたくてがんばっていたのですが、 このストラットフォード・アボン・エイボンでは、到着して最初に眼前に飛び込んできたのがカナルボート(運河船)でした。 嬉しくて慌ててシャッターを切ったのですが、今までがんばってきたのが無駄に思えて少し悔しさがありました。
一行は、ロイヤル・シェイクスピア劇場前でバスを降りると16世紀の街並みを通り抜けて観光客が溢れる広い通りまで出てきました。 交差点に立つギルドチャペルは、イギリスらしいタワーが印象的です。 街並みは、黒い木杭にしっくいの壁が印象的な16世紀のチューダー様式の建物が建ち並んでいます。 今日の昼食は、チャペルの通りのマーローズレストランで路地を入った中庭にあります。 私たちが予約した席は、イラン人風の観光客が早い者勝ちとばかりに席をキープしています。 ウェイターに促されてリザーブしていないイラン人?は退席しましたが、一度準備されていた食器やパンは、そのままに 促されるままに座る私たちは良い気分のしないまま着席させられました。 メニューは、コテージパイというパンケーキの様な食材をメインとした軽めの食事です。
食事を終えると再びストラットフォードの街を散策します。 街の中には、シアターや劇場などの関係グッズのお店があり観劇を目的としてこの街を訪れる人も多いそうです。 どこの店先にも”シェークスピアの・・・”という様にシェークスピアを前面に押し出して観光地をアピールしている様な雰囲気です。
この街のシンボル的な存在で、世界の演劇ファンが関心を抱くシェークスピアの生家が観覧できる様になっています。 世界的には有名と言われても殆どシェークスピアとの接点が見つけられない私としては、へーそーなんだ程度の感覚です。 シェークスピアの生家に隣接したシェークスピアセンターから入場しシェークスピアの何たるかについて説明が展開されますが、 部屋から部屋へと移動していき英語で解説が流れても何を説明しているのかさーっぱり解かりません。 生家の中は、撮影禁止ということで内部の撮影はできませんでしたが、暖炉に食卓とベッドが配置された当時は裕福な家庭の典型ということですが、 見学した状況では粗末な佇まいにしか思えません。 個人的に日本の家屋で例えると登山の途中で寝泊りする山小屋を想像して戴ければ大した違いが無い様に思えます。 父親は、皮手袋の生産と羊毛の取引で財を築き市長にもなった名士だそうです。へーそーなんだー 家の外には、演劇に今にも出演しそうな舞台俳優(エキストラ?)が庭で談笑しています。この人たちもチップの為に扮装しているんだと思いますが・・・
ツアーでの見学が終わると自由行動で解散となります。 見回せば16世紀の建物を何度も改築した様な建物の中に近代的な店舗が溶け込み観光客が氾濫して賑やかです。 お土産店のレジは、長蛇の列で買い物をしていると時間が無駄に過ぎていきます。
この街に来て最初からずっと気になっているのが、エイボン河のカナルボート(運河船)です。 イギリスは、高い山も無く起伏の少ない地形の為、昔から水路が発達しているそうです。 エイボン河に接続している運河を含め水路を航行する為、幅の狭い船体の船が当たり前の様に バンクロフト・ガーデンに停泊しています。 しかも、停泊している船の形態はレストラン船だったり絵画ギャラリー船もありアイスクリーム販売の船と様々です。 もちろんデイトリップで貸し出す船もあり、インフォメーション船でトリップガイドもしていました。
内装は、小さなホテルという感じで、一番後ろはリビングルームなっていて後尾のデッキで景色を眺めながら ワインでもなんて情景が目に浮かぶ程おしゃれな造りになっています。 もちろんキッチンやシャワー、ダイニング、ベッドルームと長い船体を如何なく使用しており 河を航行するキャンピングカーならぬキャンピングボートです。我家にも別荘として船一双欲しいです。 当然、ここで寝泊りしている河上生活者の方々もいます。 自慢の造りを誇示する様に窓や扉を全開にしてお披露目しています。 公園を離れると自由散策の時間は終わりに近づき、集合場所の駐車場に向かいます。
次の見学場所は、シェークスピアも眠るホリー・トリニティー教会を見学します。 イギリスの教会は、どこも重々しい感じでホーンテットマンションの様な雰囲気が漂っています。 教会の前には、墓の墓標が立ちオカルト映画に出てきそうな景観です。 夜の闇に雨が降り雷鳴が轟く様相がピッタリのロケーションです。
バスで移動して今日の最後の見学場所は、シェークスピアの妻アン・ハサウェイが結婚するまで住んでいた家で、 藁葺きの屋根に広い庭に囲まれた当時の裕福な農家の典型的だそうです。
前に紹介した裕福な商人の家よりも相当裕福な家の様に感じました。 日本でも豪商や地主の家など指定文化財として保存されているのと同様の展示スタイルです。
本日の宿泊は、16世紀のチューダー朝時代のファームハウスを改装したキングス・コートホテルです。 (ファームハウスは、大規模に経営していた農場で家族と労働者が一緒に住んでいた家のことだそうです。) ディナーは、かぼちゃスープにチキンをベースにしたメインディシュとデザートはイチゴソースをトッピングしたケーキでした。 イギリスの旅は、日を追うごとに良いホテルになっている感じで、レストランや建物内の設備に客室と 今回の泊まった宿泊先では、一番満足のいくホテルでした。 ロンドンで宿泊したロイヤル・ナショナルホテルが酷すぎたから余計に痛感したと思います。 最後に登場したバス運転手のMr.ブライアンの風邪も日を追うごとに回復してゆきましたが、帰国してから移された事に気付いたのは、 風邪の症状が似ていて旅行日程と同じ期間、咳と鼻水に苦しんだ事でしょうか。
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