バスによる周遊ツアーは、2日目となります。 今日もバスに揺られること140km英国最大のレイク・ディストリクト国立公園(湖水地方)へ向かいます。 イギリスの放牧地帯の村々が点在するヨークシャー・デイルズ国立公園を抜けて山あり谷ありの山岳地帯を通り抜けると 前方にウィンダミア湖が見えてきました。 この湖は、イギリス最大の湖で地形の変化が乏しいイギリスでは珍しい屈指の美しさでイギリスの観光地域になっています。 ワーズワースをはじめ数々の詩人や作家に影響を与え世界に湖水地方の魅力を広めてきました。
観光船の就航は、1時間おきで走行中ケリーさんが気にしていましたが、バスは観光船の出発時間に間に合いました。 ウィンダミア湖のボウネスの桟橋からアンプルサイド桟橋までの湖上縦断クルーズに出発です。 船上からは、のどかな湖畔にセレブや俳優が御用達のホテルが優雅に佇んでいます。 対岸の丘の上には、ワーズワースが執筆に滞在していたという古城が鎮座しています。 のんびりと過ごす休日には、もってこいのロケーションです。
一行は、湖畔を離れバスで数分のレストラン”グラスハウス”で昼食です。 ここでは、湖水地方のカンバーランドソーセージをメインにした昼食でした。 日本でソーセージがメインになる食事は聞いたことがありません。 どちらかというとビールのツマミの印象が強いのですが、ボリュームがあり食べ応えも十分です。 イギリスはポテト(ジャガイモ)や豆類が主食になっているらしく 日本では、付け合せの印象の強い食材がイギリスでは、メインになっている様です。 ポテトの品種も20種類程あり、煮物やサラダに炒め物とメニューによって使い分けている様です。
食事の後は、イギリスのロマン派の詩人ワーズワースが幼少から半生を過ごしたホークスヘッドの散策でした。 ほとんどがケンブリッジ大学に進学したというグラマースクールや家族も眠っている教会、いきつけの店やバーなど ワーズワースに関連した足跡や18世紀の佇まいが記念としてそのまま残されています。
ここヒル・トップは、ビアトリックス・ポターがロンドンで創作活動していた頃に購入して、その後移り住んでいた農場の家がそのままギャラリーとなっています。 ピーター・ラビットが世界中で有名になり、印税収入を得てニア・ソーリーの村に念願の家と農場を購入しヒル・トップと名づけたそうです。 芝生の上には、ウサギが飼われていて子供を連れて来たお母さんが、絵本を読んであげた内容そのままにのどかな日々が過ぎています。 農場の庭には、ピーター・ラビットのお話に出てくるイラストと同じ情景がそのまま残されています。
こちらでは、有名な銘菓ジンジャーブレッド(1854年創業)が秘伝のレシピを守り続けているそうです。 生姜の風味の甘いお菓子で柔らかくてちょっと癖になりそうな味で、そのまま紙で包んだだけの古風なお菓子です。
めまぐるしい移動が続きバスは、ボウネスに戻りピーター・ラビットの絵本の世界をアトラクションにした ワールド・オブ・ビアトリックス・ポターを見学して物語の世界に入っていきます。 ピーターラビットのおはなしやきつねどんのおはなしなど、23の物語が曲がりくねった順路のあちこちで展開されています。 世界中の人が理解できる様に解説ディスプレイがあり、物語にまつわるエピソードなどが紹介されています。
ここに来るまでは、ピーター・ラビットやアヒル、キツネは画家が挿絵として書いているだけだと思っていました。 こんなにいろいろなストーリーを創ったビアトリックス・ポターに関して何も知らなかったのが不思議なくらいのアトラクションです。
小雨が時折 降り注ぐ今日の天気も観光中は、邪魔されることも無くなんとか乗り切ることができました。 という訳で本日は、ボウネスのギルビンバレーに建つ宿泊ホテル、ワイルド・ボアに到着です。 このホテルは、観光スポットの喧騒から外れた木立の中に立つカントリー風の造りです。 ここまで泊まったホテルの中では、好印象のロケーションで時間があれば近くを散歩したい程の自然が溢れています。 建物内もペンション風のおしゃれな内装で部屋からレストランまで続く通路には、豚を題材にした壁掛けが無数に飾られています。 レストランには、イギリスでは定番のパブがあり、ワインセラーまである様です。 こちらで飲み物を先に注文してからディナーテーブルに向かいます。 何故、わざわざ飲み物を買ってから自分で持っていくのかというと、ツアーガイドのケリーさんの計らいで 毎回チップを払わなくても良いようにしてくれたからです。 日本人にとってチップほど煩わしいものはありませんからね。 ディナーは、サーモンステーキがメインの夕食です。 前菜に野菜スープで冷え込んできた体を温めてからメインのサーモンステーキとポテトサラダへと移っていきます。 レストラン内には、ディナーのみで先に食事をしていた中国人風の団体が私たちメンバーの品定めをしている様です。 最近、何処に行っても遭遇する中国人には、日本人が珍しく思えるのでしょうか・・・ タルト風のデザートを戴いた後は、各々の部屋で旅の疲れを癒して翌日からの英気を養っておきたいと思います。
翌朝は、モーニングセットで既に皿の上に盛り付けられているので、朝からどれを食べようかと迷うバイキングスタイル と違い考えなくていいのですが、こんなに朝から食べきれません。 ボウネスは、観光スポットとして他に蒸気機関車も走っている様で、ツアーでなければ連泊したくなる程のすてきなホテルでした。
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